読書効果について その4「読解力」
久しぶりの読書術に戻しましょう……
今日は「読解力(どっかいりょく)」です。
書いて字の如く、「読み解く力」のことです。学生がテストを受けるときに問題文を読み解くことができなければ答えを出すことができないですよね? 算数や数学でどんなに計算が得意でも読解力がなければ式をたてることはできません……
では、学生ではなくなったら読解力は必要なくなるのでしょうか? そんなことはないですよね。
例文などを交えて、読解力があなたの日常にどのような影響を与えるのか考えていきましょう。
【読解力の問題】
[問題]
「Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性のAlexandraの愛称であるが、男性のAlexandraの愛称でもある。」
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
Alexandraの愛称は( )である。
1 Alex
2 Alexandra
3 男性
4 女性
この問題は『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子 東洋経済新報社)に書かれているリーディングスキルテスト(RST)という読解力を試す問題です。
正解は1の「Alex」です。あなたの答えは正解だったでしょうか? 「簡単すぎるでしょ」と思う人もいるかもしれません。しかし、今の中高生の正答率は次の通りです。
[問1の中高生の正答率]
中1・・・23%
中2・・・31%
中3・・・51%
中学生平均・・・38%
高1・・・65%
高2・・・68%
高3・・・57%
高校生平均・・・65%
なんと中学生の正答率は、半数を下回っているのです。全体でも低い数値だと思いますが、私は高3の57%という数値も、受験前の学生としては深刻な問題だと感じます。
著者の新井紀子さんも「日本の中高生の読解力は危機的」とおっしゃっています。
この本の中では、「読書量の多いからといって読解力が高いわけではない」という調査の結果も出ているのですが、それは中高生が「読みっぱなし読書」を基本としているところに問題があります。
では読書をしたあとに、なにをすればいいのか? これはブログで順を追って紹介していきます。
【読解力がないと騙される?】
私が読解力を大切にしてほしい理由は、テストの点数をあげてほしいためではありません。読解力がなければ、あなたが他人から騙されてしまう可能性が上がることを理解してほしいのです!!
今まであなたが目にした文章で、もっとわかりやすく書けばいいのに、あえてむずかしく書かれているものはありませんか?
例えば……「学生手帳」「契約書」などです。運転免許のときの試験問題もそうでしょう。免許の試験は、運転の技術ではなく国語のテストのような問題ですよね。
ではなぜ、あえてわかりにくくしているのでしょう? 私のこの疑問を解決してくれたのは、あるテレビドラマでした……
【ドラマのセリフから……】
私の疑問を解決してくれたテレビドラマとは……2005年にTBSで放送されていた『ドラゴン桜』(原作 三田紀房 脚本 秦建日子)で「なぜ勉強をするのか?」を阿部寛さん演じる桜木建二が体育館で生徒たちに熱弁するシーンのことです。
桜木「社会にはルールがある。その上で生きていかなければならない。だがな……そのルールってやつは、すべて頭のいい奴が作っている。それはつまりどういうことか……そのルールはすべて頭のいい奴に都合のいいように作られているってことだ。逆に都合の悪いところはわからないようにうまく隠してある。だがルールに従う者の中でも賢い奴は、そのルールをうまく利用する。例えば税金、年金、保険、医療制度、給与システム。みんな頭のいい奴がわざとわかりにくくして、ろくに調べもしない頭の悪い奴から多く取ろうという仕組みにしている。つまりお前らみたいに頭を使わず面倒臭がってばかりいる奴らは、一生騙されて高い金払わされ続ける。」
(中略)
桜木「賢い奴は騙されずに得して勝つ。バカは騙されて損して負け続ける。これが今の世の中の仕組みだ。だからお前ら、騙されたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら勉強しろ!」
最後の言葉を私は「お前ら読書をしろ!」に変えることが可能だと思っています。
読解力がなければ騙される……人に騙されて良い気分になる人を私は知りません。あなたもそうでしょう。読解力を身につけることは、あなた自身を守る行為なのです!!
【まとめ】
読解力は本を読んだ後になにをするか? で決まります。多くの人が嫌いな読書感想文は、読解力を上げるためにはとても重要な役割を果たしていました。しかし、読書感想文を書くのが楽しい人が少ないことは言うまでもありませんね……
違う方法で読解力を身につける方法を、今後書いていきますのでお楽しみに……
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