CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

本の探し方 その3「〇〇には気をつけろ!!」

 今日は、読書が苦手な人がやってしまいがちな、間違った本の選び方についてです。

 

 私がこのシリーズを書いているのは、主に「読書が苦手」と感じている人に向けてです。

 すでに読書をされていて、当たり前の様に読書をしている人からすると「そんなこと知ってるよ」と思われることが多いかもしれません。

 しかし、私も大量の本を読んだあとに「読書術」の本を読みました。その結果、「これはいい方法だ」「これは今までやっていなかったな」という発見があり、試してみたところ良い結果に結びつくことは、とても多かったです。

 

 そんな中でも、今日は私自身の経験も含めた「〇〇には気をつけろ!!」と注意してほしい本の選び方を紹介していきます。

 では、はじめましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

【〇〇大賞に気をつけろ!!】

 

 

 書店に行くと、最初に目に入ってくるものは直木賞受賞作品」「芥川賞受賞作品」などと書かれた本です。毎年〇〇大賞が決まると、どの書店にも「〇〇大賞受賞作品」という言葉が、お客さんの目に入りやすいところに掲げられます。

 

 「すごい賞を獲った作品なんだから、面白いはずだ!! 買おう!!」

 

 これが危険なのです……

 

 結論から言えば、読書が苦手だと感じている時期は「〇〇大賞受賞」の作品は無視することをお勧めします。

 

 理由は、〇〇大賞を選んでいる選考者は、文学においてのプロばかりで「超」がつくほど読書家が集まっているからです。プロ目線では読書が苦手な読書初心者とは「楽しい」「おもしろい」という感性が違うことが多いのです。

 

 私は「〇〇大賞」を否定しているわけではありません。賞をもらえる作家は一握りであり、とても優秀であることは言うまでもありませんし、選考者の方々も適当に選んでいるわけではないと思っています。

 

 あくまでも、「読書が苦手」な人にお勧めできないだけです。

 

 「〇〇大賞」の本は、日頃から読書をしている人でも「むずかしいな……」「よくわからない……」という声を聞きます。

 

 「〇〇大賞」系の作品を読んで、途中で挫折してしまうと「私は賞を獲った作品も読めないのか……」と落ち込んでしまい、次の本に手が伸びにくくなってしまうデメリットもあります。

 

 「ベストセラー」「ロングセラー」「話題の本」と書かれていても、あなたに合わない本なんていくらでもあります。話題の映画を観に行って「私にはおもしろさがわからなかった」なんてパターンと同じです。

 

 もちろん「〇〇大賞」系でも、あなたにとってのアタリ本はあるかもしれませんので「絶対に買うな!!」とは言いませんが、選考者は文学のプロであることは忘れないようにしましょう。

 

 

【読書が苦手な人にもお勧めする〇〇大賞】

 

 

 私が「〇〇大賞」と名のつくもので、1つだけ読書が苦手な人にもお勧めできる賞があります。それは……

 

 本屋大賞

 

 という賞です。この「本屋大賞」は書店で働く書店員さんが投票をして選ばれる賞なのです。

 「〇〇大賞」の中では選考者が、本を買うお客さんに近い人たちです。大賞作品がお客さんにも受け入れてもらいやすいことで有名です。

 

 2004年からはじまった賞なので、まだ歴史は浅いですが、私が読書好きになるためのきっかけとなった『死神の精度』(伊坂幸太郎)も2006年の第3回本屋大賞で3位を受賞しています。

 

 毎年1位〜10位までが発表されるので、気になる作品はチェックしていますが、大ハズレの作品には出会ったことがありません。

 

 

【人に勧められた作品に気をつけろ!!】

 

 

 「〇〇大賞」と同じくらい、読書が苦手な人がやってしまいがちな落とし穴が「人から勧められた本」をすぐに買ってしまうことや、借りてしまうことです。

 

 これは、「人から勧められた本はすべて拒否しろ」というわけではありません。私が言いたいことは「人から勧められた本を、何も考えずに買ったり借りたりするのは気をつけてください」ということです。

 

 私も、多くの人からおすすめの本を借りた経験がありますが、途中で「これは自分には合わない」と感じて読むのをやめた場合、返すときに「面白かったでしょ?」「どうだった?」と聞かれると困ってしまいます。

 素直に「読めなかった」「あんまり面白くなかった」と言っても、誰も幸せな気持ちになりません。

 

 自分が前から読みたかった本は、借りても問題ないかもしれません。しかし、むやみに勧められた本を調べもしないで借りまくる行為は、自分の首をしめることになりますので気をつけましょう。

 

 

 

【本を勧めるときの注意】

 

 

 その相手の立場にもよりますが上司や先輩が「これはお前に必要だから読め」と無理やりに本を渡した場合、それは「楽しむ読書」ではなく「強制の読書」に変わってしまいます。

 どんなに相手のためを思っても、強制読書は学生時代の「朝の読書運動」や「読書感想文」を思い出してしまい、苦しめるだけです。

 

 「こういう本があるから、興味があれば書店でチェックしてみてね」くらいがちょうどいいのです。または貸すときに「読めなかったら途中でやめちゃっていいからね」と一言加えるだけで、相手は気が楽になるのです。

 不思議なことに「無理して全部読まなくていいよ」「死ぬまでに返してくれたらいいからね」などと貸してくれる人に言われた本は、無理なく最後まで読めるのです。

 

 私もこのブログで本を紹介します。そのときに気をつけているのは「〇〇に悩んでいる人にお勧めです」などの言葉を加えることです。この1文を加えるだけで、その本を調べてくれたり、書店でチェックしてくれる確率が上がるのです。

 

 「読みなよ」ではなく「読んでみたら?」と相手に考えさせる余地を与えることが、重要だと思っています。

 

 

【まとめ】

 

 

 

 

 探し方のシリーズでは合言葉になってしまうかもしれませんが「他人にとってのアタリ本があなたにとってのアタリ本にならない可能性がある」ということは、常に意識しておかなければいけません。

 

 「〇〇大賞は絶対に読まない!!」「本は絶対に借りないし、勧められても買わない」と思ってほしいわけではなく、気をつけてほしいだけです。

 

 次回は、書店で「なにをチェックして買えばいいのか?」を解説していきます。

 

 

 

 

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