CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

なぜ読書は大切なのか?

前回の発声シリーズでボイスを載せることに成功しました。形式を変換したりと時間がかかってしまいました。

 

本日は役者が読書を勧められるのはなぜか?

 

と言うことについて考えていきましょう・・・

 

 

 

 

 

【読書との出会い】

 

皆さん稽古場で「読書をしなさい」と講師の方に言われた経験はありますか? 私は昔からよく言われました。しかし、当時の私は根っからの読書嫌い・・・活字を見ただけで本を投げ捨ててやりたくなるくらい漫画かゲームの人生でした。

 

しかし、役者には「台本」が付きまとう作品がほとんどで、活字嫌いは致命的です。演劇論の座学で、かなり優しく講義をしてくださっていた教授が

 

「活字嫌いな人は、いますぐ役者をやめなさい!!」

 

と言った時は、さすがに夜まで悩んだ末に本屋で小説を買いました。文庫本を一冊読み終えるのに 一ヶ月以上かかりましたが不思議と達成感があり、役者としての遅めの一歩を踏み出した瞬間でした。しかし読むペースも上がらなければ、毎回非常に疲れます。

それなのに読み終わると次の本を買いに行く習慣が身につき、10年以上も本は財布を持ち歩くくらい日常に馴染んできました。

 

 あの教授の言った一言で使命感で読んでいた本でしたが

 

読まなければいけない < 読みたい

 

と自分の中で変化したことがわかりました。O教授には感謝しています。

 

 

【読書の効果は?】

 

しかし!!!! じゃあそれで演技が上手くなったのか?

 

正直に申し上げて、読書するだけで演技が上手くなるのであれば苦労しません。月に20〜30冊も本を読む人がいるような世の中で、その人たちを集めて演技をしてもらっても、決して演技派集団が完成するわけありません。それは皆さんもわかるでしょう。

 

学生時代は、どの演技講師にも「読書をしなさい」と言われ続けましたが、誰もその理由は教えてくれませんでした。

 

「小説は台本に書いていない登場人物の感情が描かれている」

 

と言われたこともありました。確かに小説は、台本より状況の説明や補足の分は多いですが、それを読んだことで台本の理解が早まったり、演技が上手くなることに直結するとは思いませんでした。

 

読書は小説のような物語だけに絞る必要はないと思っています。ビジネス本や、絵本だって、読書に変わりはありません。知識が多くて損をすることはありませんので。

 

私は役者を志したことをきっかけに本を読み始めたので、普段本を読んでいる人と読んでいない人の演技の違いは何なのか? を常に追求してきました。その結果・・・

 

1 高い集中力

2 リアクション

3 台本読解力

 

この3つは確実に読書をしている人は優れていました。

本に関しては自分の選り好みで好きな作家やジャンルを偏らせても問題ないと思います。大切なことは、映画の時にも書きましたが「何を面白いと感じたか?」「どこがつまらなかったのか?」を考えることです。

 

 

 

【本の選び方】

 

「オススメの本を教えてください」と言われることも多くなってきましたが、正直これは絶対!! と私が思う本以外は勧めません。私にとって面白くても、その人にとって面白いのかは別です。人によって今読むべき本とそうでない本が存在します。ベストセラーになった『嫌われる勇気』は私にとって、発売された当初は「今読むべき本」ではなく、書いていることは理解できても響くものが少なかったことが事実です。数年後にベストタイミングで読み返してみると、印象が全く違う本になったのです。友人と喧嘩した時には見たくない映画や、失恋した後に聞きたくない曲があるのと同じことだと思います。

 

私はその人にとって必要である本を勧められるように気をつけています。

ちなみに書店で本を探す際・・・

 

1 表紙

2 目次

3 前書き

4 必要であれば最初の3ページ

 

を見て、すべて自分の独断でクリアしたものを購入するようにしています。目次で大体判断できるようになると思います。

小説の場合は、本の背表紙と最初の3ページで判断します。

中を開いて、あまりにも字が詰まりすぎて読みにくそうだったり、言葉の言い回しがしっくりこない場合も棚に戻します。この判断は個々で変わってくると思いますが、集中して読める自信がない本は挫折しがちです。レイアウトなども重要な要素だと考えます。

私は書店では目的の本がある状態で行くことが多いのですが、ついつい足を止めて見てしまうことが・・・毎回です。

 

 

【これはオススメ!!】

 

読書好きは「もっと早く読めればたくさんの本を読めるのに!!」

読書嫌いは「活字は苦手で時間かかるなら読みたくない!!」

 

と思うでしょう。つまり、どちらの悩みを解決するにも

 

「速く読みたい!!」

 

が鍵になります。これまでに速読の本は何冊も読んできましたが、どれもしんどい練習が必要で、これなら普通に読んだ方がいい・・・と諦めて自分の無理しないペースで読んでいましたが、今回の本は素晴らしかったので、紹介しましょう。ようやく審査も通り、当初予定していた本の紹介もできそうです。

 

速読に日本チャンピオンがいたこと、そんな大会があることも知りませんでしたが、角田和将さんという著者が書いている内容は、ただ速く読むことのコツだけでなく・・・

 

 

・ 早く読んでも覚えられるのはなぜか?

・ 学校で習った読書術の落とし穴

・ 高速で読むと、脳で何が起きる?

・ なぜ日本人は音読をする?

 

など、しっかりと科学的にも研究されている結果をもとに速読のことを書かれています。これは速読の教本ではなく、タイトル通り「読書術」を学べる秀逸な本だと思います。友人も一日かからず読み終えてしまったと感想を聞かせてくれました。

これから読書をしてみようかと思っている方も、読書が苦手な方も、すでに読書家の方も・・・今後も様々な本の紹介していくかと思いますが、最初は読書をすることについて教えてくれる本にさせていただきました。