CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

読書嫌いなあなたへ4

 今日は、あまり関わる機会のない生徒たちの演技レッスンを3コマ指導してきました。

 数年前まで、自分が教える立場になることを想像もしていませんでしたが、「教える」という立場になってはじめて気づくことが多く、そしてなによりも、教えている側は生徒よりも勉強になることが正直なところです。

 

 さて、読書嫌いなあなたへ……今日は、なぜ大人になると読書嫌いになってしまうのか? これを考えていきましょう。

 

 

 

 

 

【みんな最初は読書が好きだった】

 

 

 あなたが読書が嫌いになったのは何歳の頃ですか? と聞かれても正確に「◯◯歳のときです!」と答えられる人はいないでしょう。中には「生まれた時から嫌いだった」なんて答えるかもしれません。

 しかし、私は誰もが昔は本が好きだったと思っています。その理由は、あなたがオムツをはいていたころ、お父さんお母さんもしくはおじいちゃんおばあちゃんに本を読んでもらった経験があるからです。

 そして、何度も飽きずに「これ読んで」と同じ本を読んでもらった経験もあるのではないでしょうか? 家庭によって差はあるかもしれませんが、多くの人が絵本という読書を楽しんでいたことでしょう。

 

 『読書世論調査』でも「小学校に入る前、家の人に本を読んでもらったことがありますか?」という質問に小学生、中学生、高校生は「よく読んでもらった」「時々読んでもらった」と答えている人が多く、約8割が「読み聞かせをしてもらった経験がある」と答えているのです。

 

 では、なぜ読書が嫌いになってしまうのか? いよいよ本題です……

 

 

 

【大人のせいで嫌いになる】

 

 

 私は、読書嫌いになる原因は大人にあると考えています。

 その理由は、多くの人が苦手にしていた、あいつの存在です……それは、、、

 

 「読書感想文」です!!

 

 聞いただけで思い出したくない宿題ナンバー1かもしれませんね。

 

 もう1つあげるとすれば、「朝の読書運動」も似たような理由で嫌っていた人が多いでしょう。

 

 私は文章を書くことは苦ではない珍しい学生でしたが、読書は大大大大嫌いでした。読書感想文は本を数ページめくっただけで、それらしい感想をまとめて書き、先生たちを騙し続けていました。

 今思えば、先生にも本を読んでいないことはバレていたかもしれませんが、私は3〜5枚の作文を提出していたので、枚数で得をしていたのかもしれません。

 

 私のことはおいておき……多くの人から嫌われていた「読書感想文」と「朝の読書運動」の共通点は「やらされている」と学生たちが感じてしまうことです。

 

 大人になってからの読書は、勉強ではなく自由に学ぶためのものです。

 しかし、興味のない本を強制的に読まされたり、朝の眠い時間に静かに本を読む時間を強制されることは子供たちにとって退屈でしかありません。もちろん、読書が好きで好きでたまらない学生であれば話は別ですが、多くの人がどちらも好きではなかったことでしょう。

 

 この2つの強制された読書のせいで「読書は勉強なんだ……」というイメージがついてしまい、気がつけば本を読むことを避けるようになってしまうのではないでしょうか?

 

 私を含めた大人は、子どもたちに「読書は勉強ではない」ということをしっかりと教える責任があるのです!!

 しかし、「読書をしろ!」「読書はいいぞ!」と言われても、電車の中を見れば、、大人で読書をしている人はほとんどいません。8割の人がスマートフォンを永遠にさわっています。

 そんな大人たちに「読書をしなさい」と言われても頭がいい子供ほど、反発するでしょう……

 

 

【進み続ける読書嫌い?】

 

 

 今後、当たり前のようにデジタルな世の中になっていくにつれて読書離れは加速することが予想されています。

 読書をしない人が増えていく原因は大人にあるというのは、なにも読書感想文や朝の読書運動によるものだけではなく、インターネットが誰でも使える世の中になったことも原因の1つでしょう。

 

 「誰でも」と私がいっている中には、子供たちも含まれます。あなたも電車で見たことがないでしょうか? 言葉も話すことができない子供が親のスマートフォンタブレット端末を使いこなしている姿を……

 私が演技を教えている生徒の中には「桃太郎」を知らない生徒がいます。もちろん「浦島太郎」や「鶴の恩返し」「かぐやひめ」も知りません。これは非常にショックな事実でした。

 

 これは数年前から、親が子供に本を読み聞かせる習慣がなくなってしまったということです。

 「親が子供を読み聞かせしないことで、どんな問題がおきているのか?」については別の記事で詳しく書かせていただきますが、今や3歳以下でもYouTubeを見る時代です。

 子供時代に本を読まなければ、生まれてから本を好きになる経験が全くないまま大人へと成長していくことを意味します。

 

 読み聞かせをしてもらったことがある子供は、学生になってからも「本が好き」と答える割合が10 %近く上がることがわかっています。

 たかが10 %……されど10 %です。

 

 私は子供がスマートフォンタブレット端末を使いこなすことに反対はしませんし、絶対にいけないことだ! という気はありません。しかし、親子のコミュニケーションツールである「読み聞かせ」が消えてしまうことは、とても悲しいことだと思います。

 デジタルな世の中だからこそ、残さなければいけないアナログな文化をしっかりと見極めることが、大人の仕事なのかもしれません。

 

 

【まとめ】

 

 

 読書嫌いな人間が多いことを「大人」という一括りにまとめてしまうことはずるいことかもしれません。結局は、損をしてしまい苦しむのは読書をしない本人だからです。

 この「大人」には、もちろん私も含まれています。つまり私も「読書嫌いな人」を「読書好きな人」に変える使命があると思い、こうしてブログを書いています。

 

 読書シリーズはまだまだしつこく続けます……好きになることよりも先に、なぜ自分が読書嫌いになってしまったのか? ルーツを辿ることで解決策が見える人もいることを考え、今回の記事を書かせていただきました。

 

 次回は本を読まない人の原因を徹底的に論破する回にしようと思います。

 

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