CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

読書効果について その2「想像力」

 今日は読書で身につくといわれるものの中から「想像力」を解説していきましょう。

 

 「想像力」とは、よく使われる言葉ですが、それが身についたらどうなるの? という疑問があるかもしれません。

 私は演技を教えている立場の人間として、「想像力」は生徒に必ずなくてはならないものだと指導しています。しかし、この曖昧な「想像力」という言葉は意味が広すぎて「なんとなくわかるけど……」と思っている人が多いのも現状です。

 

 さあ、本編に入りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【想像力ってどんな力?】

 

 

 私の考える読書における「想像力」とは……

 

 「書いてある文字から、風景、もの、生き物、人の心などを、頭の中で絵にする(イメージ)力」

 

 まず、勘違いしてはいけないことは「想像力」は0から生まれることはないということです。

 

 例えば……「鼻が短い象」「手のひらサイズのひまわり」などと言われたら、あなたは頭の中で見たことがないのに想像できると思います。

 では、象やひまわりを見たことがない人はどうでしょうか? 想像することはできませんよね?

 多くのものを知っていることが想像力を広げてくれる力になるのです。この力を身につけるために練習をする期間が、子供の頃の絵本です。桃太郎に出てくる「おにがしま」や浦島太郎の「りゅうぐうじょう」という言葉は、子供が聞いただけで絵を思い浮かべることはできないでしょう……

 

 私は、大人になってからでも絵本を読むことは恥ずかしいことではないと思っています。今では大人のための絵本もありますし、考えさせられる絵本は山のようにあります。「自分は頭の中で絵をイメージすることが苦手だ」と思う人は絵本やマンガ、イラストの多い本を読んで想像力を上げるための練習をすることが大切です。

 

 

 

【読書のスピードが上がる】

 

 頭の中で書いてある文字を絵にすることができるようになると、読書のスピードは格段に上がります。

 しかし、多くの人がこの「頭の中で絵にする」 という作業ができないまま読書を習慣にすることができないのです。これは、とてももったいないことですね……この力が身につくことで、先輩、上司、先生が話していることを素早く理解することにもつながります。「頭の回転が早いな」などといわれる人の多くが「話していることを頭で絵にする力がある」ということです。

 

 よく考えてみてください……本当に頭が回転しているわけないですよね?

 

 

【想像力UPで優しくなれる?】

 

 

 私が「想像力」の中で1番大切にしてほしいものは……「人の心」を想像する力です。

 

 本には、様々な人物が登場します。あなたと似ている考えをもつ人物もいれば、あなたとは真逆の考え方をする人物もいることでしょう。

 

 本を読むことで、あなたではない人物の心を深く想像する力が身につくのです。

 

 日常生活でこの力を身につけるためには、あなたが多くの人に心を開いてもらう必要があります。あなたも仲の悪い人、気が合わない人に自分の本心を打ち明けることはしませんよね? それを可能にしてくれるのが「本」です。現実にいたら関わることのない人物の考え方を知ることができるのです。

 

 「いじめっ子は、本当は寂しがり屋なのかな?」「ガリ勉くんは、こういう理由で勉強しているのか」「人気者にも悩みがあるんだな」など、あなたではない人物の立場で、あなたと違う視点で物事を見られるようになるのです。

 

 今は、SNSで簡単に人を傷つけることができてしまう世の中です。「相手がどういう気持ちになるのか?」「これを言ったらどうなるのか?」「この動画をあげて傷つく人はいないのか?」という少し考えればわかるようなことをノリと勢いにまかせて投稿してしまうのは、「人の心」を想像する力が足りないからでしょう。

 

 私は、多くの人が人の心を想像して、発言や行動ができるようになれば、今よりも優しい世の中になると考えています。

 「本を読むことで優しくなれる」私が読書に期待している大切な効果の1つです。

 

 

【想像力テスト】

 

 

 最後にクイズを出しておきましょう。

 

[問題]

 

 A君は500円をもって、おつかいにやってきました。

 1個100円のりんごを2個。

 1個30円のみかんを3個。

 ついでに、60円のおかしを1個買いました。

 

 さて、A君がもらったおつりはいくらでしょうか?

 

 ※ 想像力が重要です。

 ※ 頭の中で絵にする力を使ってください。

 

 

【まとめ】

 

 今日は「想像力」でお伝えしました。上の問題の答えは次回発表です!!

 

 前回の「教養」と「知識」もそうですが、読書によって身につく力は、日常生活や仕事や勉強において、必ずあなたを良い方向へと導いてくれるものです。

 あなたの中で「なんで読書が大切なのか?」の答えがでたとき、自然と本を手にとっていることでしょう。次回は「語彙力」です!!

 

 

 

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