CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

あなたにはわかりますか? 華のある人の「華」は具体的に何なのか?

役者でなくとも耳にする

 

「あの人は華があるよね・・・」

 

という言葉。芸術の分野ではどうにも抽象的な表現を好むことが多いのですが、これも私が引っかかる代表的な例です。そもそも、華って何ですか? でも言わんとしていることはわかります。

こんなことを言っている私でも華のある人には沢山ご縁がありました。役者だけでなく様々な業種の方がいらっしゃいますが、やはり職業柄しっかりと覚えているのは役者の方が多いです。違う言葉で言い換えるとしたら「魅力的」というのが最適かもしれませんが、この「華」を自分の武器にできたらこっちのもんですよね? 今日も研究と分析をしていきましょう!!「魅力的」という言葉も抽象的ですね・・・

 

 

 

 

 

花と華の違いや語源は?

 

なぜ華と書くのでしょう?

 

花・・・主に植物に実る花を指し「花びら」「桜の花」「生け花」などに用いる。

 

華・・・「花が美しく咲き乱れる様」などと花に関するものを抽象的に表現するときに用いた。「華やか」「華々しい」

 

つまりは根本が抽象的なものということらしいですが、歌舞伎の世界で面白い話が・・・

 

優れた芸を花で例えていたという。歌舞伎の一座でも人気者は「花形役者」と呼ばれていた。そして昔は歌舞伎役者を「花」と呼ぶことから転じて「華」に変化していった。元々は芸事をする人にのみ使われていた言葉のようですね。

 

 

あなたの周りにいる華のある人とは?

 

研究と分析をするには、あなたの身近にいる華のある人を思い浮かべましょう。さて、どんな特徴がある人でしょう? 「華があるな・・・」と思ってしまうところで多くの人が分析を止めて結果として終わらせてしまいます。そこを深めることによって、あなたの中で「華のある人は○○な人だ!!」と研究成果を出せるのです。役者を志す人は特にこれが必要です。

 

さて、どんな特徴があるでしょう?

 

 

 

パターン1「舞台役者Hさん(女性)の場合」

 

とても不器用なタイプのHさんですが、楽観的なHさんの周囲には常に人が集まります。人気者という言葉が似合うタイプです。彼女は特別に演技が上手というわけではなく、ダンスなどの身体表現も苦手としています。しかし稽古場で演出家が手を叩き、シーンの稽古が始まると目つきがガラッと変わり役者モードのスイッチが入ります。相手役をやっていても、その目つきに飲み込まれそうになる程の目力があります。目つきだけでなく、所作までもが美しく堂々としています。周囲の人は彼女を「華のある役者だ」と言いました。

 

 

 

 

パターン2「ダンサーTさん(男性)の場合」

 

彼はとてもネガティブなタイプです。しかし音楽がかかり、踊りだすとネガティブな要素は垣間見せないスーパーダンサーになります。

彼の特徴は美意識の高さです。どうすれば自分が格好良く見えるのか? を考えて鏡の前で様々なポーズや角度を研究しています。周りからは「ナルシスト」と呼ばれていますが、本人は気にしていません。それをネタにできる一面もありますが、ネガティブな自分に少しでも自信をつけるための努力は怠りません。

 

 

 

 

パターン3「シンガーSさん(女性)の場合」

 

彼女は日常生活から「派手!!」という言葉がよく似合います。高身長でスタイルの良いSさんは、自分のことをよく理解していて服装なども自分にしか着こなせないような服を好んで着ます。それもセンスが良いのに誰も真似しようとはしません。きっと似合わないことを周囲は察知するのでしょう。その派手さはパフォーマンスにも表れています。自信に満ち溢れた表情で様々な歌を歌い上げます。

 

 

  

共通していることは?

 

今回は表現者に絞らせていただきましたが、会社員の方や店員さんでも華がある人は街にもいますよね? 芸能人も街中でスカウトされてデビューした人はスカウトする人が街にいる多くの人の中から声をかけるということも、イケメンだから、可愛いから・・・だけではないことは確かです。容姿端麗でも華がないと思う人も周りにいませんか? 

 

私が思う華のある人は上記の3名を含めて分析していくと・・・

 

「圧倒的な集中力」

「自己分析をする力」

「長所を活かす力」

 

の3つかと思います。これを持ち合わせている役者さんは舞台に立つ時に堂々としています。見ている人は自信なさげに舞台に立つ人には目もくれません。または逆に悪目立ちに目が行きます。

しかし、私は上記3つを全て揃える必要はないと考えています。どれも平均値でできるより、どれか一つが人より飛び抜けている人が華を手に入れることができるものだと思います。

 

 

 

 

結論から言うと、華のある人とは・・・

 

 

「存在感のある人間」

 

 

であると思います。しかし勘違いしてほしくないことがあります。役者にはそれぞれの適材適所があります。全員がジュリエット役候補ばかりでは演劇は成り立ちません。素敵な脇役や、憎まれる悪役などバランスがあります。華がなければ役者をやってはいけないという法律は存在しません。今回の記事では皆さんに華のある人はどんな人か? と考えていただくのと同時に、自分が役者であるためには何を磨くべきなのかを考えていただく時間になれば本望です。

 

存在感を示すためには自信が必要ですね。自信を持って舞台に立つ人間には「私を見ろ!!」という気持ちが芽生えますが、自信がなければ「私を見ないで」と心で不安を抱えながら立つことになります。人に見られる仕事であるということは、人前に出ても恥ずかしくないという自信を持つ必要があります。それは決して生まれ持った先天的な才能だけではありません。皆さんが知っている芸能人は全員がそうでしょうか?

 

「自分は華がないから役者の才能がない・・・」なんて考えは捨てて、自分の役者としてのレールを今後どう引いていけば良いのかじっくり考えることが時間の有効な使い方なのです。

 

 

 

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