発声練習の落とし穴にはまるな!!(1)
演技のレッスンで必ずと言っていいほど最初に行うのが発声練習ですね。
演技の上達には欠かせない第一歩です。
①「背筋を伸ばして良い姿勢で!!」
②「息をお腹いっぱいに吸って!!」
③「腹筋を使って大きな声を出しなさい!!」
④「お腹の下に息を入れて!!」
こんな講師の声が飛び交うことでしょう。上記は私から言わせると、役者に発声練習を勘違いさせる発声崩壊のキーワードになっています。
一度考えてください。発声練習はなんのためにやっているのでしょうか? どの演技のレッスンでもそうですが、目的を達成するための練習には意味がありますが、練習のための練習では意味がないのです。
発声は基礎でとても大切ですが、そこで習得した声を本番でも使えないと意味がないと思いませんか?
①「背筋を伸ばして良い姿勢で!!」
確かに身体を自然体にして発声を行うことは良いことですが、演技をしていてずっと背筋が伸びている役は、私は見たことありません。あきらかに不自然に見えます。つまり、どんな体勢であろうとしっかりと発声ができていないといけないのです。
②「息をお腹いっぱいに吸って!!」
では、息をおもいっきり吸って、声を出す直前で止めてみましょう。喉に詰まった感じがないでしょうか? おもいっきり息を吸うことで、肺に空気がパンパンの状態になりますね。風船がパンパンに膨らんだ状態と同じです。息を多く吸えば吸うほど、中の空気は外に出ようとする力が生まれます。これを一気に放出することで声帯はダメージを受けます。また、たくさん息を吸って力を調整しながら発声することも声帯にダメージを与えます。
③「腹筋を使って大きな声を出しなさい!!」
腹筋を鍛える→声が大きくなる。という勘違いが未だにあります。では想像してみてください。ボディービルダーは皆さん美声で大声ですか? スポーツをやっているアスリート、身近にいる筋力がある友人は大きな声でしょうか? 答えはNOですね。
④「お腹の下に息を入れて!!」
腹式発声はお腹の下を膨らませて発声することでは達成されていません。これについては長くなりそうなので、詳しく解説します。
今回はよくある勘違いを挙げていきました。「じゃあどうすればいいの?」というのを今後の記事で丁寧に解説していこうと思います。
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