CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

真摯と謙虚と○○○は最強の武器である!!

男と女の考え方が違うように、対極の関係になるものは常に対立しやすいですね。

先生と生徒、親と子供、与党と野党、上司と部下、犬と猫、正義と悪・・・

 

そして演出家と役者である。

 

しかし、考えてみればこの対立しやすい関係を良好にすることで解決できることは沢山あると思います。

 

現場で演出家と役者が一悶着・・・なんてシーンは珍しいことではありません。パワハラだと騒がれる世の中になってからは、更に頻度が増した気がします。どうすれば良好に進むのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

役者の仕事とは?

 

役者を仕事だと捉えられない人が多いことが現実です。それは現場に立った回数がものを言う訳ではありません。「役者で食っていく!!」と強い信念をもって稽古に来る人を見てきたからです。

皆さんが芸術を鑑賞する時はどんな理由でお金を払うでしょうか? 好きな役者が出ているから? この作品の監督はハズレがないから? CMを見ておもしろそうだから? 知り合いが出ているから?

様々な理由があるでしょうが、お客はお金だけを払っているわけではありません。そこに来るまでの時間。上演、上映されている間の時間も犠牲にしているのです。その分をプラスの対価で返すのが役者の仕事です。役者だけの力でどうこうなる話ではない時もありますが「この作品はつまらないよ」「今回はダメ」と言って手を抜く役者は二流です。無駄口を叩く暇があるのであれば、そのつまらないと思っている作品を少しでも良くするためにできることを考えるべきなのです。

 

 

 

演出家の仕事とは?

 

演出家という仕事は人によって、その団体によって役割が変わってきます。しかし役者は演出家を選ぶことはできません。「あの人が演出だから出る!」と絞っていては、あなたは役者として小さな世界の中で終わってしまいます。

演出家で勘違いしていることの多くが「出演者を決めるのは演出家」というところでしょう。残念ながら演出家はその作品の役者や舞台全体の流れを希望することはできますが、キャスティング権を全て握っているわけではありません。プロデューサーや制作がOKを出さないと実現しないことは山ほどあります。しかし役者はどうしても演出家が選ぶものだと勘違いします。そういう団体もありますが・・・

では演出家の仕事とはなんでしょう?

基本はその作品をより効果的に見せる為の役者の動きや舞台セットや照明、音響を統括する仕事です。つまり役者の演技にだけ全てを注げるわけではないのです。私の出会った演出家には「稽古場を含めて全てが円滑に進むことに最大の力を注ぐ」という方もいらっしゃいました。団体によって演出家の仕事のスタイルは異なります。ですが、常に作品を良くしようとする意図だけは変わりません。おや? これは役者と同じ思考ではないでしょうか?

 

 

 

真摯さがあれば・・・

 

真摯な態度で稽古をしていると脱線することはないでしょう。しかし役者も人間ですので自分の考えがあります。自分のやりたい表現も生まれて当然です。しかしそこで考えましょう・・・自分がそれをやることで周りにはどんな影響がおこるのか? それを考えずに演出家に意見をするのはあまりにも勝手な行為です。演出家の指定された動きの範囲でできることには挑戦するべきですが、作品を通して考えた時の状況を把握することが大切ではないでしょうか? とは言いつつも、全体を見ることは難しいですよね。だから演出家がいるのです。役者は自分の与えられた演じるという行為を真摯に遂行することが仕事です。

 

 

 

謙虚になれない人・・・

 

人間は簡単に調子に乗ります。ちょっといい役をもらったら天下をとったような気持ちで浮かれます。内心で喜ぶことは良いでしょう。それをアピールすることは余計なことです。私はそれで現場から消えていった役者を何人も見てきました。その逆で謙虚さを忘れずに今も現役で役者をやっている先輩も沢山います。その方達の多くは演出家からのダメ出しに対して言い訳や口答えをしません。「はい、わかりました」と返事をして言われたことをこなすために必死になります。それができると更に難しいダメ出しがきます。私はその現場を見て、この人はプロだ・・・と感じました。どんなに役者としてキャリアを積んでも、謙虚な人は息の長い役者として仕事をしていけるのです。不器用な役者でも謙虚さだけでこの世界に残っている人もいます。こういう人は演出家からの信頼を勝ち取るのです。

 

 

 

○○○とは?

 

真摯と謙虚・・・頭ではわかっていてもできないものです。それを助けるのが「素直さ」になります。言われたことに挑戦する心も素直であれば挑めます。多くの役者が自分の考えと違うことを言われると「私の考えの方がいいのに!」と思います。しかし素直な役者は「それは新しい! やってみよう!」と考えるのです。現場で出会うベテラン役者は、みんな子供のように素直に取り組み、なんでも吸収しようとする姿勢があります。若者はどこか小っ恥ずかしい気持ちが先行して強がってしまう気持ちが勝ってしまいます。素直さは役者でなくても日常でも武器となります。

なんでもやってみて上手くいかなければやめればいいのです。やる前から諦めてしまうことは損をします。素直に挑戦した結果、新しい発見があれば儲けもんです。

 

 

 

まとめ

 

ここまで演技の技術については多くを語っていません。それはレッスンや稽古にきても身にならない時間を過ごしていては成長が何十、何百倍も遅くなるからです。自分が好きだから始めた役者という道・・・上達しなければ仕事にはなりません。演技の技術を学ぶ前にやるべきことは沢山あります。しなくてもいい勉強はないといっても過言ではありません。素直に挑戦できる気持ちを日常から身につけましょう。

 

 

 

 

 

 

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