SNSの未来は?
毎月毎月、SNSの問題がニュースに取り上げられる時代になりました。最近では「バイトの非常識な行動」がメインになっていますね。
私が前回書いた記事も絡んでいました。
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芸能ニュースでも「◯◯がこんな発言をした!」など・・・きりがないです。
演技を学ぶ人間に限らず、SNSの在り方は考え直した方が良い時期でしょう。
【今に始まった事ではない】
バイト店員問題はここ数年で、件数が一気に上がりました。私からすると、なぜあんなことをするのか? 理解ができません。しかし、私も学生時代にバイト先で同じ光景を目の当たりにしたことがあります。
飲食店でしたが、初めてラストまで働いた閉店後に、私よりも若いバイト店員が、店の中でやってはいけないこと(内容は伏せます)を繰り広げていて、衝撃を受けました。
元から問題児でしたが、ここまでやるのか・・・と愕然としたことを覚えています。そしてそれを笑いながら撮影するバイト仲間・・・その光景が私には耐えられず、私はそのバイトを早々に辞めました。
しかし、当時は外に発信する手段がありません。社員にばれたらクビになることは当たり前なのでバイト仲間だけで共有していたのでしょう。
本人はニュースに取り上げられることもなく、どこかで社会人として生活・・・しているのかわかりませんが、そう願います。
10年前でもそんなことがありました。つまり、ここ最近で度を越えた遊びをしている人が急増したわけではありません。
【手段を身につけてしまった】
SNSがなかった時代は、近いコミュニティーでしか共有できなかったことが、今は世界中が対象として発信できる時代です。この進化は凄いことで、昔では考えられません。
それが故に、度を越えた遊びが一瞬にして広まってしまうのです。
人間は承認欲求の塊です。「いいね」が多ければ喜び、他人に影響を与えることができたら、誰だって自分の存在を認められたと思って浮かれてしまうでしょう。
昔は「有名になりたいから人を殺める」ということをしていた人もいます。根本に違いはあまり感じられません。
老若男女を問わず発信の手段を身につけてしまった現代で、私たちは何を発信すれば良いのでしょう?
【発言は自由だけど・・・】
SNSで動画をアップしなくても、人を傷つける人が多いのも現状です。名前を伏せて有名人の投稿に人道に反した言葉を書き込む人が大勢います。
発言の自由は確かに存在します。しかし、人を傷つけて良いという自由は存在しません。コメントなどで名前を伏せるということは、その行為自体に「悪いことをしている」という認識があるからでしょう。自分の意見を伝えたいのであれば、実名で発信することができるはずです。
これはネットショッピングの商品レビューや、映画、本の書評にも同じことが言えます。
アメリカでは商品レビューは実名で、且つ的確なものが多いそうです。日本が悪いということではなく、本来の目的は何なのか? 考えなければいけません。
「人を傷つけること」が良い行いだと思っている人はいないでしょう。しかし、様々なサイトやネットニュースの記事で毎日人を傷つける言葉が飛び交っていることが現状です。
名前を伏せることで人の発言能力は一気に上がります。しかし、同時に人間としての価値が下がることを忘れてはいけません。
【映画、本の評価】
前述でも書きましたが、映画や本を見る人間にとっては評価は気になります。私も数年前までは評価を見てから映画や本を買ったり見たりしていた時期があります。しかし、あるとき気づきます・・・「多くの人が面白いと言っていても自分にはそう感じないものはたくさんある」ということに。
これは何が言いたいのかと言うと、それまで評価の高いものだけを厳選してきたものの、評価が低くても、自分にとっては面白いと思うものをスルーしてしまった可能性があるのです。
これは勿体ないことをしたな・・・と後悔しました。その後、評価は一切見ずに、自分の興味のあるものを見ることを決めてから、私は周りの意見がさほど気にならなくなりました。
【SNSで発信するあなたへ・・・】
私は役者でも誰でも、なにかを発信するときの最低条件に「人を傷つけないこと」が入ります。そして最高条件(変な日本語ですが)は「他人を幸せな気持ちにすること」があります。
私は人前で表現をしたり、文章を書いて作品を生み出したり、レッスンで人に教えたり・・・と発信する立場になる機会が多いです。そんな人間が人を傷つけているばかりの人間だったらどうでしょう?
あなたの好きな俳優がSNSで「今日は疲れた・・・」「この現場はつまらない」「仕事したくない」「あいつムカつく」などと書いてあったら、どんな気持ちになるでしょう?
俳優は所属事務所からSNSについては、こんなご時世なので厳しく指導されているので、書く人は少ないでしょう。しかし、これを読んでいるあなたが、役者として今後活動するにあたって、そんな発言をSNSでしていたら、私は素直に応援できません。
【人を幸せにしなさい】
役者が人に与えていることは何でしょう?
なぜあなたは表現をするのでしょう?
人を楽しませるためではないでしょうか? 人を不幸にしたり、傷つける人にそんなことはできません。役者は舞台上で嘘をつきます。作品のために役を演じることは、悪い言い方をすれば嘘です。
それで人を動かすのですから、凄い仕事です・・・演技をしているときは、その人自身の人柄が表れます。私は相手役に親切にすることを毎回、生徒に言い続けています。
相手が芝居をやりやすくするためにはどうすればいいのか?
その訓練は日常で身につけることができます。
SNSは若者が手に入れた武器です。しかし、使い方を間違えれば自分を傷つける武器にもなります。
あなたが発信してきた内容は、誰も傷ついていませんか?
私は、このことに気がつくまで時間がかかりました。それは私の財産です。なので、過去の投稿は消さずに自分への戒めだと思って今後も消すことはないでしょう。
人を幸せに・・・簡単なようで難しいことです。
【まとめ】
子供の頃に、弁論大会で「相手の気持ちは自分の気持ち。自分の気持ちは相手の気持ち。」と全校生徒の前で発した記憶があります。
私はその時から、どれだけ人の気持ちを考えてきたのか? 意図して傷つけていなくても、知らないうちに人を傷つけてしまったことは数え切れないことでしょう。
皆さんもそんなことがあるはずです。
役者を真剣に目指しているあなたへ、一つお願いがあります。
「あなたも傷つけることがあるでしょう。だから、傷つけられたとき、相手を許してあげてください。」
CO-2N