CO-2N研究所

勉強ではなく、好きなことをとことん研究する場所。主に「演劇」「読書」について

多方集中を身につける

なにをやるにも集中することは大切ですね。

しかし「集中しすぎる」というのもどうなのでしょうか?

書いて字のごとく「集める中に」というのは1箇所に集めることを指しているため、周りが見えていない状態でもあると言えます。必要な集中力とは何でしょうか?

 

 

 

 

あなたは集中力がある?

 

 

正直に言うと、私は集中力がない方だと思います。それでも役者をやっていて、本番で大事故になることはおこしていませんが・・・小さな頃から「集中しなさい」と叱られてきましたが、大人になるにつれて集中することは自分が思い描いていたものと違うことがわかりました。

さて、あなたは自己評価で集中力があると自信を持って言えるでしょうか?

 

 

 

 

集中ってなに?

 

 

私は多くの日本人が集中という言葉を勘違いしているように思います。「自由」の時にも書きましたが、漢字は私たちが生まれるよりも前に誕生しています。ここ数年でも時代が大きく変わっている中で本来もっている意味が今の時代に合っていない言葉は多く存在します。集中もその一つで、本来は一点集中などと言った一つの物事にまっしぐらに向かう様などで使われていました。

「一所懸命」と「一生懸命」がとてもわかりやすい時代によって変化した漢字の代表かと思います。

しかし「集中」は姿を変えません。

 

 

 

役者に必要な集中とは?

 

 

役者全員が一点集中をしていたらどうでしょう? 極端な話をすれば、人のセリフも聞けなければ、できたとしても2人の芝居だけでしょう。3人だと集中が分散してしまうからです。しかし皆さんが芝居をしていく上での集中力とはもっと違う種類でなければいけません。役者には同時にこなすべきことが多く存在します。「セリフを喋る」「セリフを聞く」「動く」「照明に入る」「物を持つ、置く」「出る、はける」「食べる、飲む」「歌う」「踊る」「音を聞く」など挙げだしたら切りがないでしょうが、これを複数同時に何パターンも行います。セリフを聞きながら椅子に座り、喋りながら小道具を使うこともあります。時には舞台上でおこったイレギュラーなことにも対応しなければいけません。

つまり役者に必要な集中力は一点集中ではなく、多方集中になります。

 

 

 

多方集中は誰でもできる!

 

 

これも書いて字の如く「様々な方向に集中を向けること」です。しかし、わかっていてもできないのが演技の面白くも歯がゆいところですね。日常ではそんなシーンが多くあるのに、演技になるとできないのです。友人とご飯に行く時、無言で食べていますか? 家でご飯を食べる時にテレビを見ながら食べませんか? 携帯を見ながら飲み物を飲んでいませんか? 皆さんは表現としてやる時に発揮できない理由は日常では無意識に行なっているからです。

 

 

 

どうやって鍛えるの?

 

 

オリジナルで方法を見つけることもアイデアを生み出す練習になりますが、空中に向かって右手は四角形、左手は三角形を描くように手を動かしてみましょう。

 

どうでしょうか? なかなか単純なことなのにできない方が多いかと思います。これは右で4拍子、左で3拍子をしていることと変わりません。難しくてできないという方は右手を三角形、左手を縦に一本の線を描くように(2拍子)でやってみるところから始めましょう。

難易度を上げていくと、右手は四角形、左手は円を描いてみましょう。これは最初からできる人を見たことがありません。

 

 

 

まとめ

 

 

上記のトレーニングは人によっては難しくてできない人もいるかもしれません。しかしうまくやることが目的ではありません。やっている過程が大切です。できないことに対して「どうやったらできるようになるのか?」「こうしてみよう!」と工夫することで脳が活性化されるそうです。つまり役者の集中力を身につけるためには多方集中を意識的に取り入れることが重要です。日常でできている多方集中ができないはずがありません!!

 

 

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